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生理痛は、人によって痛みの感じ方が違います。
生理痛の重さのレベルが違うのは、どのような原因があるのでしょうか。
本記事では、生理痛の重さのレベルについて以下の点を中心にご紹介します。
・生理痛が重い方の特徴とその原因
・生理痛が軽い方の特徴とその原因
・生理痛が重いときの対処法
生理痛が重くなっている原因を理解して、辛い生理痛を和らげましょう。
是非最後までお読みください。
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生理痛が重い方
特徴
生理痛が重い方の中には、普通に生活することがままならない程の痛みに襲われている方もいます。
周囲にも相談できず、生理期間中は苦しい思いをしている方も多いのではないのでしょうか。
以下のような症状がある場合は、月経困難症かもしれません。
- 出勤や通学が困難なほどの痛み
- 立っていられない、横にならないと辛い
- 鎮痛剤を常時飲んでいる、薬がないと心配
- 吐き気がする
- 異常に眠い
- 生理がくるたびに、悪化している
月経困難症には、病気が痛みを引き起こしている器質性月経困難症と病気を原因としない機能性月経困難症があります。
生理痛が重いときは、我慢せずに医師に相談するほうがいいでしょう。
器質性月経困難症だった場合は、早々に治療しなければ悪化してしまうかもしれません。
原因
- ストレス
ストレスがたまると、自律神経が乱れやすくなります。
自律神経のバランスが不安定になると、血行に悪影響を及ぼし、生理痛が重くなることがあります。
- カラダの冷え
カラダの冷えは、血行を悪くし、生理痛を悪化させる原因となり得ます。
運動不足による筋力の低下や冷たい飲み物の飲みすぎなど、心当たりはありませんか？ - 過度な女性ホルモンの分泌
経血を体外に排出する際、「プロスタグランジン」という物質を分泌します。
「プロスタグランジン」には子宮を収縮させる働きがあるため、分泌量が多いと収縮が強くなり、この収縮により痛みも強くなりやすい傾向があります。 - 子宮口が狭い
子宮口が狭いと、経血を排出するのに強い収縮が必要になるため、痛みも強くなりやすいです。
出典：オンライン診療対応クリニック病院検索・クリニック動画紹介のイシャチョク「生理受診するべきケースとは？」
生理痛がひどい場合は病気の可能性も
病気が原因で生理痛が重くなっているケースもあります。
病気の場合は、早期の治療が必要です。
どのような病気があるのか、症状と一緒に紹介します。
子宮腺筋症
子宮内膜に似た組織が子宮筋層の中にできてしまう病気です。
子宮腺筋症になると、子宮筋のなかで出血が起こるので、生理痛が重くなったり、経血が増えたりします。
また、子宮全体が固く大きくなっていくので、内臓を圧迫し、生理期間以外でも、腹部や腰が痛くなることが多いです。
出典：公益財団法人東京都医療保険協会 練馬総合病院「子宮腺筋症」
子宮内膜症
子宮の内側にある子宮内膜と同じような組織が子宮以外にできてしまう病気です。
子宮内膜症は、卵管や腹膜、腸など様々な臓器で発症します。
生理痛が重くなる原因は、子宮内膜症になっている箇所からも、生理痛の痛みの原因であるプロスタグランジンが分泌されるからです。
また、子宮内膜症は不妊の原因になることも少なくありません。
卵管付近に子宮内膜症が発症した場合、剝がれ落ちた子宮内膜は体外に排出できず、癒着を引き起こし、不妊につながることがあります。
出典：公益社団法人日本産科婦人科学会「子宮内膜症」
チョコレート嚢胞
子宮内膜症の一種で、子宮内膜に似た組織が卵巣にできることで起こる病気です。
生理のたびに、子宮内膜症が卵巣の中で出血し、古い血液がたまっていきます。
生理が重くなるだけではなく、不妊症や卵巣がんの原因になる可能性があるので、注意が必要です。
出典：公益社団法人日本産科婦人科学会「子宮内膜症」
生理痛が軽い方
特に生理痛を感じない、我慢できる程度の痛みしかないなど、生理期間中もあまり体調に影響がありません。
生理痛が軽い理由を解説していきます。
特徴
生理痛が軽い方の症状の特徴は
- 1,2日目は多少痛いけれど、我慢ができる
- 普通に生活できる程度の痛み
- 特に生理痛を気にしていない
- 薬は必要とすることが少ないなどです。
生理が軽い方の中には、生理期間中でも日常と同じような生活ができる方もいます。
原因
生理が軽い方は、カラダやこころにストレスを抱えないよう工夫している傾向があります。
生理痛の原因のひとつは、ストレスです。
人付き合いや不慣れな環境によってストレスをため込んでしまうと、自律神経に影響を与え、血行が悪くなることがあります。
生理が軽い方は、軽い運動など自分に合った方法でストレス発散している場合が多いです。
また、生理が軽くなるのは、年齢にも関係があるといわれています。
収縮が弱いと生理痛も弱くなるため、生理が軽くなったと感じる方もいるでしょう。
生理痛の対処法
薬で治療
生理痛を軽減する効果が期待できる薬は、大きく4種類あります。
- 鎮痛剤
子宮の収縮の際に分泌されるプロスタグランジンの分泌を抑制する薬です。
生理痛が強くなる前に、服用するといいでしょう。 - ピル
排卵を止めて、黄体ホルモンを分泌させないようにする薬です。
黄体ホルモンは、痛みの原因であるプロスタグランジンの増加を促すので、黄体ホルモンごと分泌を止めます。 - 漢方
冷えの改善や貧血、生理痛への効果が見込める漢方を飲みます。 - ホルモン剤
閉経したような状態にする偽閉経療法や子宮内膜症、子宮腺筋症の病巣を縮小させる効果が期待できる薬を服用する方法などがあります。
手術で治療
子宮内膜症などの病気が原因で生理が重い場合、手術が必要になる可能性があります。
手術方法は2種類あります。
腹部を切って病巣を取り除く開腹手術と、腹腔鏡を使用して病巣を取り除く腹腔鏡下手術の2種類です。
開腹手術の治療方法は大きくわけて2つです。
- 根治手術
子宮や卵巣をすべて取り除く手術です。
再発の可能性はなくなりますが、妊娠ができなくなります。 - 温存手術
子宮や卵巣は残したまま、病気の部分だけを取り除く手術です。
妊娠の可能性はありますが、再発の可能性もあります。
もう一つの手術方法である腹腔鏡下手術とは、お腹に小さな穴をあけ、炭酸ガスでスペースを作り、そこからスコープを入れて行う方法です。
傷跡が小さくて済むことや術後の回復が早いことがメリットです。
生理痛の重さの個人差はなぜ生まれるのか
生理痛の重さに個人差がある原因として、女性ホルモンの分泌量が関わっています。
子宮の収縮の原因となるプロスタグランジンが多く分泌されると、痛みが強くなる傾向があるからです。
体質的にプロスタグランジンの分泌量が多い場合もありますが、子宮口が狭い場合も、プロスタグランジンが多く分泌されます。
子宮口が狭く、経血を排出しにくい場合も強い子宮収縮が必要になるためです。
体質などにより、プロスタグランジンの分泌量に違いがあるので、生理痛にも個人差がでます。
日常生活に影響がある場合は医療機関の受診を
日常生活に支障をきたすほどの痛みの場合は、器質性月経困難症の可能性が高いです。
器質性月経困難症を引き起こしている病気の例として、
- 子宮内膜症
- 子宮腺筋症
- 子宮筋腫
などがあります。
生理のたびに痛みが悪化している場合は、器質性月経困難症である可能性が高いので、早めに受診しましょう。
将来の自分のためにも、痛みを我慢せずに医師に相談してみましょう。
生理痛や月経前症候群に関する捉え方調査
15歳～49歳の生理の経験がある6,000人を対象に生理に関する本音をインターネット調査した結果をご紹介します。
上記の調査から、自分自身の生理の重さのレベルが客観的に把握できてないことが分かります。
生理痛は数値で測ることもできず、痛みの感じ方や症状も個人差があるので、判断しにくいからです。
他の人の生理痛のレベルに関しても、どの程度つらいのか、客観的には判断できていないという調査結果が出ています。
自分自身が生理の症状を経験していても、症状には個人差があるため、他の人の痛みを想像しづらいのです。
出典：ツムラ「個人差が大きい生理痛やPMSによる症状」
生理痛の重さレベルに関するよくある質問
重い生理痛を我慢するとどうなる？
生理痛を我慢していると、病気になったときに見過ごしてしまう可能性があります。
特に、つらい生理痛の原因が子宮内膜症であった場合、治療が遅れてしまうかもしれません。
子宮内膜症の放置は不妊につながることもあります。
生理痛がある人の割合は？
生理痛の症状が重い人も軽い人も含めると、女性全体の約8割が痛みを感じています。
そのうち、症状が重いと感じている人は約3割で、我慢できる程度の症状の女性が約5割です。
生理痛の感じ方に個人差はあっても、大半の女性は生理のときは不調になっていることが分かります。
痛みがひどいときは、無理せずに休養するようにしましょう。
データ：第一三共ヘルスケア株式会社「女性にとって大切な生理について学ぼう」
生理痛がない人はなぜなの？
生理痛がない人は、体質や生活習慣が関係している可能性が高いです。
体質として、生理痛を引き起こしているプロスタグランジンの分泌量が比較的少なかったり、子宮口が広くスムーズに経血が排出していたりする場合があります。
また、生理痛がない人は体に負担をかけないような生活を送っていることが多いです。
体を冷やさないように冷たい飲み物を控えたり、お風呂にゆっくり入ったりと毎日の過ごし方に気をつかっています。
POINT!
生理2日目が一番しんどい理由は？
個人差にもよりますが、生理2日目にプロスタグランジンの分泌量が多くなるためです。
プロスタグランジンが多く分泌されると、子宮が強く収縮して痛みも強くなる傾向があります。
生理痛が辛いときは、予定や仕事は無理のない範囲で行い、安静にしましょう。
身体をあたためたり、薬を飲んだりして、生理痛が悪化しないように対処するのがよいでしょう。
生理が重い日はどう過ごすべき？
薬を飲む以外のセルフケアをご紹介します。
- バランスのいい食事をとる
一日三食しっかり食べて、栄養をとります。
鉄分を多く含んだ食材や体を温める食材を積極的に取り入れましょう。 - 適度な運動する
激しい運動は控え、血流をよくするためにストレッチをしましょう。 - ツボを押す
生理痛を緩和させるツボを押してみましょう。
ツボの場所は、こちらのサイトを参考にしてください。
エスエス製薬 「生理痛を和らげるツボ」 - 体を温める
お風呂に入ったり、温かい飲み物を飲んだりするようにしましょう。
お腹を温めると効果的です。 - 締め付けの強い服を着ない
血行を良くするためにも、締め付けのない服を着ましょう。
出産すると生理痛が軽くなる？
子宮口が狭いことが原因で生理痛が重い場合は、出産を経験することで痛みが和らぐかもしれません。
子宮口が狭いとスムーズに経血を排出できず、子宮を強く収縮するため、その分痛みが伴います。
しかし、出産することで、子宮口が広がり、弱い子宮収縮で経血を排出できるようになるケースがあります。
生理痛がひどいと安産って本当なの？
現在では、生理痛の重さが安産に関係していることは、医学的に証明されていません。
出産経験者の中で、生理痛が重かった人が結果的に安産だったという経験談を話している方もいるので、そのような噂が広まった可能性が高いです。
生理痛の重さレベルのまとめ
ここまで生理痛の重さのレベルについてお伝えしてきました。
生理痛の重さのレベルの要点をまとめると以下の通りです。
・生理が重い方の中には日常生活に支障をきたすほどの痛みを抱えている方もいる
・生理痛が重い方は、ストレスや生活習慣、体質が原因
・生理が軽い方は、生理期間中も問題なく過ごせる痛み
・生理が軽い方は、日頃からストレス発散をして、生理痛が悪化しない生活をしている方が多い
・生理痛が重いときの対処法
1.薬を飲む
2.バランスのいい食事をとる
3.適度な運動する
4.ツボを押す
5.体を温める
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。