インフルエンザとは?A型、B型、C型、D型って何?疑問を解説します

こんにんちは。今年はインフルエンザと新型コロナが同時に流行するのではないかと世間で騒がれています。
そこで、今回はインフルエンザについてお話します。

インフルエンザとは?

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって引きおこされる感染症です。
風邪はライノウイルスやアデノウイルス、RSウイルス、コロナウイルスなど、同じウイルスの中でも細かく分類され200種類以上の様々なウイルスが原因となりますが、インフルエンザはインフルエンザウイルスからの感染のみが発症する原因となります。

インフルエンザのA型、B型、C型、D型って何?

インフルエンザウイルスはA型、B型、C型、D型の4種類に分類され、主に人に流行するのはA型とB型のウイルスです。A型は人以外にも豚、馬などの哺乳類や鳥類に感染して変化しやすいのが特徴です。B型とC型は人へのみ、D型は家畜のみ感染します。A型インフルエンザウイルスの大きさは80~120nm(1nmは1㎜の100万分の1)で、ウイルス表面からスパイクのようなたんぱく質が突出しており、そのうち重要なたんぱく質であるヘマグルチニン(H1~H16の16種類)と、ノイラミニダーゼ(N1~N9の9種類)の組み合わせによって144種類に分類されます。香港型と呼ばれる(H3N2型)やソ連型と呼ばれる(H1N1型)が毎年流行しますが、以前同じインフルエンザにかかったことがあっても、その年に流行する亜型と同じ免疫をもっていないと、また感染してしまいます。一方B型はあまり変化しないため一度感染すると次はかかりにくいとも言われていますが、100%ではありません。

インフルエンザと風邪の違いって?

インフルエンザと風邪は初期症状が似ていますが、インフルエンザの場合、発症してから1~3日で38℃を超える高熱やのどの痛み、頭痛、全身のだるさ、関節痛などの全身症状が急激にあらわれます。また小児では急性脳症を、高齢者や免疫力が低下している人は肺炎など重症化することもあります。風邪は喉の痛みや咳、鼻水が主体でゆるやかに症状があらわれるケースが多く、このように短期間で急速に症状が悪化するのがインフルエンザの特徴といえます。

インフルエンザの治療方法は?

インフルエンザウイルスを直接殺す薬はありません。ウイルスの増殖をおさえる薬を使用しながら、熱や痛みに対して解熱鎮痛剤を使用するような対症療法がメインになりますが、脱水に注意し、薬の服用と十分な休養、栄養補給により、1週間ほどで症状が治まることがほとんどです。

インフルエンザの流行はいつ?

インフルエンザは低温と乾燥を好み、風邪ウイルスよりも感染力が強いため、毎年12月から3月に大流行し、短期間で多くの人に感染が広がります。例年感染者は国内で推定1000万人、インフルエンザの流行によって生じた死亡者数は1万人を超えるともいわれています。

インフルエンザの予防接種は必要?

インフルエンザの流行は学校や会社などで起こり、感染拡大を防ぐために学級閉鎖や出勤停止などの対策を取りますが、一番の予防法はワクチンの予防接種です。インフルエンザワクチンはウイルスの粒子を処理し感染力を取り除いた不活化ワクチンで、その年に流行するインフルエンザウイルスを予測し製造されます。予防接種することで感染を完全に防ぐことはできませんが、ワクチン接種をしていると軽症で済むことが多く重症化して入院する人を減らせます。

新型コロナウイルスのワクチンは今年は間に合わないとされていますが、インフルエンザのワクチンは例年通り接種が推奨されており、高齢者や子供の補助がある自治体もあります。今年も当院では10月よりワクチン接種を開始する予定で、入荷次第ホームページにアップ致しますのでお待ちください。

監修:
菰池 信彦

専門分野:
内科・消化器内科・肝臓内科・便秘外来・内視鏡検査


資格:
医学博士(東京慈恵会医科大学)
日本内科学会 認定医
日本消化器病学会 専門医
日本消化管学会 指導医
日本肝臓学会 専門医
日本ヘリコバクターピロリ学会 感染症認定医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本カプセル内視鏡学会 認定医
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
厚生労働省緩和ケア研修修了